獣医師の資格を持つ福岡県出身の谷川ももこさん(28歳)は、地域おこし協力隊として、鳥獣被害に悩む長崎・対馬(つしま)で活動するスペシャリスト。彼女の対馬での活動の様子が人生デザインU-29で放送されます。
番組内容は
主人公は、長崎・対馬で地域おこし協力隊として活動する谷川ももこさん(28歳)。
もともとは、大好きな動物の命を守りたいと獣医師を志したが、大学時代の実習で、増えすぎた野生動物が人間の生活を脅かすなかで、動物たちへの“憎しみ”が人々に生まれていることにショックを受けます。
人間と野生動物はどうすれば共生できるのか?
その答えを探しにイノシシやシカの被害に悩む対馬に、鳥獣害対策専門のスタッフとしてやってきた谷川ももこさんの活動の様子などです。
対馬に来たきっかけ
谷川ももこさんは、「地域おこし協力隊」という制度で、対馬にやって来のですが、対馬市は「島おこし協働隊」と名付けているようです。
地域おこし協力隊とは、自治体の具体的な要望に応じて都市の住民が地方へ移住し、その地域の維持や活性化のために活動し、国が費用を限度内で自治体に補助する制度。
谷川さんは神奈川県藤沢市から移住してきました。
幼いころから動物が好きだった谷川ももこさんは、大学は獣医学科に進みます。
2年生の夏、ツシマヤマネコの保護活動を体験するため、対馬を初めて訪れた。
島の人たちはツシマヤマネコの減少に困っているだろうと思っていましたが、現状は、イノシシやシカの被害に対する関心の方が高かのだそうです。
当時の対馬市は、狩猟免許を持つ市民の協力を得て農作物に被害を与えるイノシシやシカを捕獲、その数は年間約1万頭に上っていました。
全国で捕獲されたイノシシとシカの数が約84万頭であることを考えると、この数がどれほど多いかが分かります。
市は捕獲に協力した市民に対し、1頭あたり1万円を謝礼として支払っていたのですが、このコストは年間約1億円に上り、また、防護柵の設置にも毎年数千万円を費やしている状態でした。
そんな長崎県の対馬市に谷川ももこさんが、半年後に再び、ボランティアで再び訪れた時に、対馬の人は「おかえり」と言って迎えてくれたのだそうです。
一度しか会っていないのに、「転勤族で地元がない私にとってはとても温かい言葉だった」と。
このことがきっかけで、「対馬に関わりたい。対馬の人が困っているイノシシやシカの対策に携わりたい。」と強く思うようになったきっかけです。
大学院でそうした研究ができるところを探しますが、見つからない。
諦めきれずにいた大学院出願の締め切り日に、島おこし協働隊の募集を見つけ、すぐに応募を決めそうです。
対馬での様々な活動
たとえば、2015年の11月に開かれたレザークラフト講座では、
「イノシシ革は毛穴が大きいため通気性が良く、靴などに使われます。シカ革は毛穴が小さいため頑丈で、昔は農業用の服などに使われていました」と、受講者に革の特徴を説明する谷川ももこさん。
市内で捕獲されたイノシシやシカの皮をなめした革で、名刺入れなどを作るのだそうです。
農業や林業、生態系への被害を減らすため、イノシシとシカが毎年1万頭ほど捕獲され、9割がそのまま山に埋められていました。
そうしたシカやイノシシなどの有害鳥獣を資源として活用することの1つが、このレザークラフト講座です。
また、13年4月に着任して以来、被害の把握や、食肉に加工する施設の運営、その肉を使った商品開発、の普及啓発活動などにも取り組んでいらっしゃいます。
「獣害を“獣財”に変えたいんです」と。
これからの谷川ももこさん
今年、2016年の3月には3年の任期が終わります。
その後も対馬に残り、民間企業を立ち上げて“社長”として今までの事業を継続していくとのことです。
また、新事業で“民泊”も考えているそうです。
イノシシやシカのウインナーなどをカフェで提供したり、給食に出したり、やりたいことはいくらでもあって、どのような形で続けていくのか、考えていらっしゃると。
勇気と希望の言葉
最近、ある人から言われたという言葉は、谷川ももこさんだけじゃなく、これからの自分の人生を考えなおそうとする時に、勇気と希望の言葉になりそうです。
「好きなことをやって生きていけるかではなく、好きなことをやって生きていくにはどうすればいいかを考えなさい」
最後に、ももこさん以外の「地域おこし協力隊」として活動する方々や、「地域おこし協力隊」と一緒に取り組んだ地域の様子などが書籍になっているのをみつけました。
私は、この本をいろんな生き方や職業の選択があって良い、ということのために読みたいなと思います。
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