岩崎航(わたる)筋ジストロフィーの詩人「生き抜くという旗印」

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生き抜くこと」をテーマに五行の詩をつづる岩崎航(いわさきわたる)さん仙台在住の詩人の特集が、生き抜くという旗印~詩人・岩崎航の日々~」としてETVで放送されました。
本名は岩崎稔(みのる)さん。
1976年生まれ(39歳)
3歳の頃に、全身の筋力が衰えていく進行性筋ジストロフィー病を発症。

岩崎航(わたる)さんの現在

岩崎航さんの現在は、24時間人工呼吸器をつけ、胃ろうから経管栄養で食事し、ベッド上で過ごす生活のすべてに介助を必要とする日々を送っていらっしゃるのですが、ブログなどで発表した5行でつづる自由律詩「五行歌(ごぎょうか)」が注目を集め、2013年7月3日に初めての詩集「点滴ポール」を出版。

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ベッドでの生活はもう、15年以上にもなるという暮らしの中から岩崎航(わたる)さんの詩は生まれます。

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まず、沢山の五行歌の中から、詩人の谷川俊太郎もその魂の叫びに心を揺さぶられたという、この本の題名を表しているであろう詩を1つご紹介します。

点滴ポールに
経管食(けいしょくかん)
生き抜くと
いう
旗印(はたじるし)

岩崎航(わたる)さんは、この五行歌を、自分に呼びかけているのだとおっしゃっています。でも、この病を含めたままの自分で、堂々と生きていこうと自分の心から自分自身で思えるようになった時がもう、そこがスタートラインで、それから私のいろんなことが始まっていくと思うんですね。

私は人の助けを借りないと、一日も一瞬も生きられない人間なので。
けど、そこからしか歌は歌えない。 と。

でも、この病を含めたままの自分で、堂々と生きていこうと自分の心から自分自身で思えるようになった時がもう、スタートラインだとも。

筋ジストロフィーとは

筋ジストロフィーとは、遺伝性の筋疾患で、運動機能の低下を主な症状とするほか、心筋障害や呼吸障害など、様々な症状を引き起こす全身性疾患です。
様々な型があり、症状や進行速度も様々で、平成27年7月1日に、改正難病法の指定難病となったばかり。
有病率は人口10万人当たりでは2.5~3人(全国で約3000人)。
1/3 は保因者 で、正常な母から突然変異により発症し、遺伝歴がはっきりしないようです。

病気の進行と生きていく覚悟

3人兄弟の末っ子として生まれた岩崎さんは、
幼稚園時代は、わんぱく盛りの子ども。
小学校時代は、友達と遊ぶのが大好き。
この頃から少しずつ歩きづらくなっていきます。
そして、中学3年生で、立ち上がれなくなりました。
高校は通信制へ。
家から一歩も出ない生活が始まると、次第に人と関わる事が怖いと感じるようになっていきます。
17歳のある日。
岩崎さんは死ぬ事を決意したそうです。
でも、そのときに、

同時に、死のうと思ってた心に同時に、このままで死にたくないと。
こんな涙をこぼしたり悲しんだりとか苦しんだりするためにだけ生きてきたわけじゃないだろうと。
せっかくこの世に生まれてきたわけだから、このままで死んでたまるかというような気持ちですよね。
死にものぐるいでもういっぺん最後に死にものぐるいで生きてみようと。

生きていくという覚悟。
でもこれは、それは治る事のない病と向き合う葛藤の日々の始まりでもあります。
そして、20代半ばに岩崎さんは詩を書き始め、それが、2013年7月3日に出版された「点滴ポール」です。
岩崎さんの「点滴ポール」には本当に沢山の五行歌(ごぎょうか)が納められていて、短いからこそ、読み手の経験や記憶、また、それぞれの立場で呼び覚ましてくれるものは違うはずですが、苦しいほど切ない感情は決して不快なものではなく不思議なくらいの心地よささえ感じます。
両親への感謝の気持ちを表した歌だと思うのですが、生きていくという覚悟がにじみ出ています。

父と母が
受けきった
かなしみ
そのままになんか
しはしない

「生きていくという覚悟」との心の葛藤を表したものだと思うのですが、こちらも自分自身に置き換えると、色んなことを考えさせられる詩です。

できることと
できざることとを
問う我は
いったい何が
できれば良いのだ

普段はベッドの上で過ごす岩崎さんですが、楽しみにしていることの1つに月に1度の外出があります。
例えば、それは7つ上のお兄さん健一さんに会いに行くこと。
同じ筋ジストロフィーを患い、入院生活を送っていらっしゃるのですが、先に病気を発症し、闘ってきたお兄さんの存在は岩崎さんにとって、一緒に暮らしていなくても誰よりも気持ちが通じ合える、大切な存在です。

青春時代と呼ぶには
あまりに
重すぎるけれど
漆黒とは
光を映す色のことだと

そんな岩崎さんが、昨年11月に初エッセイ集、書籍としては2冊目の本を出版なさってったのが「日付の大きいカレンダー」。
内容は、少年時代の思い出から、命を絶とうとした17歳の日、はたらくということ、他者との関わり、そして家族の温みを描いた、28編が収録。
写真は、前作に続き写真家の齋藤陽道が。

今は絶望の淵で「待つ」しかない人に、向かい風に立ち向かっている人に、すこし立ち止まって行く先を見つけたい人に、共に読み語り合いたくなる一冊です。

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まとめと感想

私は、岩崎さんの存在をした時、岩崎さんのお母さんの立場で色んなことを考えてしまいました。
筋ジストロフィーは、正常な母から突然変異により発症し、遺伝歴がはっきりしないとはいえ、岩崎航(いわさきわたる)さん以上に悩んだり苦しんだり、ご自分を責めたりなさったのではないだろうかと。
でも、そこで、クヨクヨしても仕方がなくて、現実を受け入れ、航(わたる)さんがこうやって「生き抜くこと」の決断をなさったきっかけもまた、お母さんを含めた大切なご家族の存在のはず。
お母さんは、その時々に、何を思い、何を考え、どう決断や行動をなさってきたのか?
そこに触れてみたいと思ったのでした。
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