エヴァ・シュロス:ホロコーストから生還したアンネの継妹(もう一人のアンネ)

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エヴァ・シュロスさんの特集が『未来のために「もう一人のアンネ 娘に託すホロコーストの記憶」』と題して放送されます。
エヴァ・シュロスさんは、「アンネの日記」で知られるアンネ・フランクの義理の姉妹「エヴァの長い旅~娘に遺(のこ)すホロコーストの記憶~」と題して4月にもETVで放送され、大変大きな反響を呼びました。
アンネ・フランクの父オットーは、家族でただ一人生き延び、1953年に再婚するのですが、その新しい妻の娘が、アンネの義理の妹にあたるエヴァ・シュロスさんというわけです。
出典:http://www4.nhk.or.jp/

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エヴァ・シュロスが強制送還されるまで

オーストリア出身のユダヤ人女性エヴァ・シュロス(現在86歳)は1944年、「15歳の誕生日」にナチスに逮捕され、家族と共にポーランド南部にあるアウシュビッツ強制収容所へと送られました。
アンネ・フランクの隠れ家生活が、家族全員でずっと同じ場所だったのに対し、エヴァ・シュロスさんたちの家族は二手に分かれ、様々な理由から隠れ家とする場所を転々としていきます。
それでもやはり、通報によって、家族と共にアウシュビッツ強制収容所へと送られてしまいました。
父親と兄はアウシュヴィッツに、母親とエヴァはビルケナウに収容。
2年と少しの隠れ家での生活の最中に、ドイツが攻めてくるとのことでオーストラリアからオランダへそしてベルギーへ移り住み、英国へのビザを申請している内に、出国できなくなり、隠くまってくれる人を探して、密告されて見つかってしまったのです。
当時、密告すると報奨金がでていたそうです。
画像は、エヴァ・シュロスさんの少女時代です。

エヴァ・シュロスの少女期

出典:http://www.nhk.or.jp/

収容所に連れて行かれて

収容所に連れて行かれても、気持ちさえしっかりしていれば生き延びれると信じていたエヴァ・シュロスは、収容所のすべての機構が、全員を絶滅させるように仕組まれていた事に気づきます。
それでも、生き延びたいという意思は強烈だったそうです。
収容所生活を送っているとき、エヴァは、高圧電流の流れる鉄条網がさえぎっていた先にいる父親に偶然出会っています。
お互いに一瞬目があったときのことをエバは以下のように語っています。

よりによってこの一点でこの一瞬に互いに顔を合わせるなんて、奇跡でなくて何だろう。パパがこつ然と目の前に姿を現したあの時の情景と、その時受けた感動を心に思い浮かべることで、私はその後も自分を励まし続けることができたのである。

選別のとき

選別が進み、エヴァの番が来たときにmエヴァは右へ、そして母親の方を振り返ると、左側に追いたてられている母親の姿が飛び込んできて、エヴァは絶叫してしまいます。
生きたまま母親を見るこれが最後だと思ったそうです。
ところが、従姉妹がアウシュヴィッツで看護師をしていた関係で、メンゲル医師に頼んでくれた為、母親はガス室送りを逃れ、一命をとりとめました。
何度もガス室に送り込まれる危機があり、病気でもうだめということもありました。
解放されて助かると思って体力が尽き果てた人々も多くいたし、解放されてソ連兵がいない隙にドイツ兵が戻って来て収容者をもう一度引き連れて多くの収容者を殺害して行くこともあったそうです。
幸い母親とエヴァは助かりましたが、兄はアウシュビッツ強制収容所からマウトハウゼン強制収容所への死の行軍のため4月に衰弱のために亡くなり、父は終戦の3日前に亡くなっています。

現在とこれからののエヴァ・シュロス

 
今では、アンネの父、オーットーと同様、ナチスに対する憎しみは消えているそうですが、それでも、10代で壮絶な体験をしたエヴァは、その後も長い間トラウマに悩まされ続けました。
最愛の夫や3人の娘たちにさえ、自身の過去を一切語ることができずにいました。
しかし今年2016年、エヴァは娘と初めてふたりでアウシュビッツを訪ねる旅に出かけることにして、そのドキュメンタリーが放送されています。

エヴァシュロス アウシュビッツ

出典:http://www4.nhk.or.jp/

エヴァの時代

エヴァ・シュロスさんは、アウシュヴィッツへの移送、そして解放から帰国までの戦慄と歓喜に満ちた日々を、自伝として「エヴァの時代-アウシュビッツを生きた少女」というタイトルで出版なさっています。
最近のエヴァさんの活動状況は調べ切れなかったのですが、3年くらい前までは公演会でロンドンなど、海外にも足を運んで、ご自身の体験を語っていらっしゃいます。

エヴァの時代―アウシュヴィッツを生きた少女

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書籍には沢山のレビューがあったのですが、その中から一部を抜粋してご紹介します。

  • アンネの日記とは違い、隠れ家生活のみならず、収容所までの道のりから、いくつかの選別を潜り抜けながらの凄まじい生還までの経験を、読み手までもが体感できてしまうぐらいのリアリティ−のある本でした。
    著者自身もこの告白は記憶の闇へ追いやってしまうつもりであっただろうに、貴重な告白をよくしてくださったと感じながら読み終えました。
  • 前からアウシュヴィッツのことには興味があったので、いろいろと読んでいます。
    そんな方には本当にオススメ!
    もっともっと詳しく知れると思います。
    特に「アンネの日記」を読んだ方は是非。意外な接点があって
    本の中にも名前がでてくるので、入り込みやすかったです。
    実際に経験した人でしか表現できない辛さ、生きようとする力が伝わってきます。
  • 出典:アマゾンレビュー

また、アウシュビッツを生きた別の方の書籍との比較レビューもありました。

  • あのアンネ・フランクやアンネの家族との日常がさらりと語られたり、なんとエヴァのママがアンネの父オットーと再婚したり、色々と驚きがありました。(オットーがアウシュヴィッツを生き延びた女性と再婚されたのは知っていましたがまさかエヴァの母とは!)
    …が、エヴァと同じアウシュヴィッツの生存者の著書「レナの約束」ほどには、一気に物語に引き込まれなかったのです…
    なぜだろう?恐らく訳者の方のセンスなのでは?と…。
    〜した。〜思った。〜だった。このような文の連続で、なんだか「あらすじ」を読んでいるように感じてしまいました。
    あと、差別用語が頻繁に出てくるので、これはきっと昭和に訳されたものに違いないと思ったら平成に出版されてました。
    個人的にはアウシュヴィッツを生き延びた方の著書では「レナの約束」が最高峰です。出典:アマゾンレビュー

ホロコーストとは

ホロコーストとは、「焼かれたいけにえ」という意味のギリシャ語を語源とする言葉です。
ナチス政権とその協力者による約600万人のユダヤ人の組織的、官僚的、国家的な迫害および殺戮(さつりく)を意味します。
1933年1月にドイツで政権を握ったナチスは、ドイツ人を「優れた人種」であると信じる一方、ユダヤ人を「劣った人種」であると見なし、いわゆるゲルマン民族のコミュニティに対する他民族による脅威であると考えました。
また、このホロコーストの時代、ロマ族(ジプシー)、身体障害者、一部のスラブ民族(ポーランド人やロシア人など)も「劣った民族」であると見なし、迫害の対象としました。
他には、共産主義者、社会主義者、エホバの証人、同性愛者など、政治的、思想的、行動的な理由から迫害された人々もいたようです。
ナチス政権、すなわちアドルフ・ヒトラー(1889年4月20日 ~ 1945年4月30日)がこのような殺戮を行ってきたことの原因は、第一次世界大戦の敗北にまでさかのぼります。

第一次世界大戦の敗北

第一次世界大戦(1914年〜1918年)に志願兵士として参加したヒトラーは、1918年に祖国が屈辱的な休戦協定を受け入れたことに憤りを感じました。
1919年に調印されたヴェルサイユ条約によって、ドイツは第一次世界大戦の責任を全面的に認め、莫大な賠償金を支払うことになったのです。
ドイツ人にとって賠償金は孫の代まで重くのしかかると訴える反ヴェルサイユ条約のポスターもあったそうです。
「なぜこんな屈辱的な降伏をするまでに陥ったのか?
それは祖国で労働者のストライキが多発し、軍需工場が機能しなくなったせいではないだろうか?
その責任は社会主義運動を率いるマルクス主義のユダヤ人にある。」とヒトラーは考えたようです。
「ユダヤ人の銀行家が、儲けようと大金を貸したせいで、資本主義国は競い合うようになり、ドイツは戦争に巻き込まれた挙句、巨額の賠償金を支払わされた。
しかもその賠償金はアメリカのユダヤ人銀行家から借りなければ、到底支払えない。
これでは祖国の経済は絶望的だ。
経済の建て直しを図るにはどうすれば良いか?」
1932年、ナチスは選挙で第一党となり、ヒトラーは首相に就任します。
当時、工業化とともに人口急増中のドイツは、産業が手狭な状態になろうとしていました。
より多くの土地を求めて、東へ領土を拡げることがヒトラーにとって最優先の課題になります。
大規模な再軍備と、近隣諸国への武力による領土の強奪で、国土の拡大と経済の建て直しが一挙にできると考えたからです。
この計画を実行するため、ヒトラーは一党独裁体制を敷きます。
国民の団結と秩序を強めるために、優生学に基づく大規模な人種虐殺がおこなわれることになるのです。
「民衆がものを考えないと言うことは、支配者にとっては実に幸運な事だ。」と。

まとめと感想

辛く苦しいことを、語っていくこと、そして今回のアウシュビッツの訪問が、エヴァさんにとって重たい過去の出来事を昇華させてくれるのだろうと思います。
収容所でどのように生き残ったかを著した書物はいくつか読んだことがあるのですが、「生き残った後どのようにもとの暮らしに戻ったか」まで著されている本はあまり読んだことがありませんでした。
こうやって人々に話をすることが、長い間縛られていた過去の記憶と苦悩から解き放たれるきっかけになることを願います。
 
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