佐藤久男氏が代表を務める、自殺対策NPO「蜘蛛の糸」は、これまで1200人の命を救ってきています。
ここでは、佐藤久男氏が「蜘蛛の糸」を立ち上げたきっかけや、長年自殺率ワースト1だった秋田県が、11年間で自殺者を半減させ、注目を集めている「秋田方式」について調べてみました。

出典:http://www.kumonoito.info/
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プロフィールと経歴

・生年月日:1943年10月20日  秋田県森吉町に生誕。
・1963年 秋田県大館鳳鳴高校卒業。
・卒業後秋田県職員に(主に福祉関係の仕事)
・1969年: 会社経営の夢を持ち県職員退職。(26歳)
・不動産鑑定事務所専務。鑑定評価事業を行う。
・1977年: 社長になる夢を持ち独立(34歳)
・株式会社不動産情報センターを設立。
・1979年: 福祉と介護用品の専門店、株式会社かんきょう設立(36歳)。
*その後、株式会社不動産鑑定センター、株式会社設計企画1級建築事務所を設立。
*2000年:10月、株式会社不動産情報センター倒産。(57歳)
・2002年: 6月、NPO法人蜘蛛の糸を設立。(59歳)
*2010年: 9月、秋田県医師会「保健功労章」受賞
*2011年: 蜘蛛の糸活動から9年目にして、秋田県の自営業者の自殺者数が52%減少。
10年目に半分以下にする目標を9年目で達成(67歳)。
*現在は、東日本大震災における被災地(岩手県釜石市)での相談を4月から開始している。また、被災者支援「生きる希望と勇気」のプロジェクトを立ち上げ、県内避難者(1600名程度)への心のケアと物資の支援を行う。
3月、「NHK東北ふるさと賞」受賞

蜘蛛の糸を立ち上げたきっかけ

佐藤久男氏は、34歳で独立して、(株)不動産情報センター、福祉と介護用品の専門店、(株)かんきょうを設立。その後も(株)不動産鑑定センター、(株)設計企画1級建築事務所を設立。
一時は順調に売り上げを上げていて、それぞれ年商10億円、3億円の優良中小企業でした。
ところが、2000年10月、(株)不動産情報センター倒産(年商11.5億円、社員19名)。
株式会社かんきょう(年商3.5億円、社員18名)の経営権、会社資産、個人資産の全てを失ってしまったのです。
そしてその時、同時期に倒産した仲間が、8人自殺をしてしまったそうです。
佐藤さん自身もまた、心身追い込まれて、首をつってる幻覚を見たというほどで、うつ病にもなってしまいました。
その時に思ったのが、
「今までまじめにやってきたのに、 ただ一度のつまずきで死ななきゃならないんだ!」
「地域経済を支えてきた中小企業経営者を、倒産ごときで自殺させてたまるか」と。
この想いがきっかけで、NPO法人蜘蛛の糸を設立されたのが、59歳のときでした。

自殺者数を激減させた秋田モデルとは?

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秋田県の自殺者数が減少した理由として、「官」「学」「民」連携の「秋田モデル」があげられます

2006年10月に施行された「自殺対策基本法」の第二条4項に「自殺対策は、国、地方公共団体、医療機関、事業主、学校、自殺の防止等に関する活動を行う民間の団体その他の関係する者の相互の密接な連携の下に実施されなければならない。」

と、「密接な連携」が自殺対策を推進するための重要なキーワードであると書かれています。
秋田県では、この「官」「学」「民」の「密接な連携」を、「秋田ふきのとう県民運動実行委員会」の設立によって、密接な連携をおこなってきました。
2010年6月の設立発起人会で、秋田大学本橋豊医学部長(当時)の、「県民運動は、民間主導で行うべきである」という提案によって、
・会長に「秋田・こころのネットワーク」会長(当時)袴田俊英氏が就任。
(佐竹敬久秋田県知事と本橋豊先生が顧問)
・役員に、医師会、看護師会、司法書士会、社会福祉協議会、老人クラブ連合会、民間団体の代表等が就任
・事務局長にNPO法人蜘蛛の糸理事長佐藤久男氏就任。
2010年10月に、毎年3月1日を「秋田県いのちの日」と定め、それ以降は、平成12年に国が定めた「いのちの日」(12月1日)とともに、「秋田県いのちの日」に、毎年、早朝の秋田駅頭と各市町村における街頭キャンペーンを実施しています。
この「秋田ふきのとう県民運動実行委員会」の設立とその後の活動が、自殺対策に対する秋田県民の意識改革を図り、秋田県の自殺者数の減少を加速させたといっても過言ではないと考えられています。
この「秋田ふきのとう県民運動実行委員会」の活動の要になっているのが、佐藤久男氏が代表を務める秋田自殺防止センターNPO法人蜘蛛の糸です。

NPO法人蜘蛛の糸(秋田自殺防止センター)について

・住所:〒010-0921秋田市大町三丁目2-44恊働大町ビル3F
・TEL:018-853-9759
・FAX:018-853-9758
・メール:kumonoito@cpost.plala.or.jp
http://www.kumonoito.info/
まず、蜘蛛の糸の活動内容は、以下のように5つに分かれているのですが、1番力をいらっしゃるのが、常時解放されている無料の面談。
日本人は、基本的に粘り強く責任感も強いため、相談に来る人は、倒産2週間前とか、直前に来られることが多いのだそうです。
最後まで何とかしようと、一人で悩んだり、駆けずり回る人が多いとか。
そして、責任感の強さから、自分が亡くなれば生命保険でなんとか会社を・・・良く聞く「死んでお詫びを」と考える方が多いと話されています。
これって、武士の時代の切腹というしきたりや考えが、時代が変わった今も、形を変えて脈々と日本人の心に流れ続けているんだな、と思いました。
佐藤久男さんのやり方は、ただ慰めたり、同調するだけでなくて、具体的にどういう処理をすればいいのか、財務諸表などをみながら、債務整理の方向性、融資制度など、具体的な方向を提示できることが強みがあります。
それは、弁護士、司法書士、臨床心理士、産業カウンセラー等の専門家と自殺予防民間団体のメンバーが同席で相談に乗れるネットワークが出来上がっているからです。

◎相談活動
「常設」「面談」「無料」による相談(要予約)月〜金/10:00〜17:00
◎啓発活動
シンポジウム・勉強会の開催、講演活動
講演、出前講演会、街頭キャンペーンの写真掲載
◎ネットワーク活動
秋田県・各市町村・大学との連携、民間団体「秋田・こころのネットワーク」との連携、秋田ふきのとう県民運動実行委員会への参画
こころのネットワーク、県民運動との写真
◎被災者支援
被災者支援「生きる希望と勇気のプロジェクト」を立ち上げ、東日本大震災における被災地での相談活動と県内における避難者の相談と物資の支援を行っている。
◎自殺対策に対する提案

まとめと感想

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