リオパラリンピックで、メダル獲得が期待される種目の1つに、車いすラグビー(ウィルチェアラグビー)があります。
ウィルチェアラグビー(車いすラグビー)は、パラリンピックの競技の中で唯一、車いす同士のぶつかり合いが認められている競技で、パワーと体格で勝る海外勢を相手に戦うために、日本は徹底して機動力を磨き、緻密な戦術を練り上げ、去年のアジア・オセアニア選手権で強豪・オーストラリアを破り初優勝したことにより、パラリンピック出場権を獲得。
現在の、日本のウィルチェアラグビー(車いすラグビー)のランクは世界第3位。メダルへの期待が高いのは無理もありません。
リオパラリンピックのウィルチェアラグビー(車いすラグビー)で活躍・主力となる選手の一人が今井友明選手です。
ここでは、今井友明選手について、プロフィールや経歴、車椅子ラグビーを始めたきっかけ(経緯)についてまとめてみました。
目次
今井友明選手のプロフィールと経歴
- 名前:今井 友明(いまい・ともあき)
- 生年月日:1983(昭和58)年
- 干支:いのしし年
- 出身地:千葉県我孫子市
- 職業:千葉市職員(勤続15年)
- 所属チーム:RIZE(千葉)
体幹の保持やバランスを崩して元の位置に戻すとき、上肢(手)を使います。
脊髄損傷では第7胸髄損傷以上の選手で、基本的に体幹を回旋することができません。
今井友明選手は2016年の現在、千葉市の職員。
税務関係の窓口や証明の発行の業務を担当なさっています。
「遠征でちょっと長い期間いない時にも、みなさんに協力をもらって、理解を得てもらっています。」と表情だけ拝見すると、激しいスポーツとは無縁のようなやさしい笑顔です。
仕事をしながら、普段は、週に2回所属する千葉市のチームで練習をなさっています。
ウェルチェアラグビーを始めたきっかけ
今井友明選手がウェルチェアラグビーを始めたきっかけは、14歳、中学3年生の時、プールに飛び込んだ際に、プールの底で頭を打ち、首の骨を折ってしまったからです。
プールの底に沈んだままの今井さんを、心配し友人たちが引き揚げてくれたそうで、意識が戻ったときの今井さんは病院のベッドの上だったそうです。
目が覚めたときは、自発呼吸もできない状態で、首には人工呼吸器が装着されていて、自分の身に何が起こっているのか全く理解できずにいたそうです。
この事故で、首から下を動かすことができなくなってしまい、リハビリのための病院に転院したそこで初めて、わが身に降りかかった不幸な事故のことを知り、これからのことを聴かされたのでした。
「落ち込む日が続きましたが、懸命にリハビリに取り組む同じ世代の人たちを見ているうちに、徐々に気持ちが変わっていった」のだそうです。
その施設では、同世代の人たちだけではなく自分よりもずっと小さい子供たちまで、懸命にリハビリに取り組む姿を見ているうちに、少しずつ気持ちが変わっていき、必死にリハビリに取り組んだ結果、四肢には力が入りづらいものの、車椅子の操縦ができるようになり、自力で移動することが可能になったのです。
自分で身体を少しでも動かせるようになると、とたんに気持ちや意識が変わります。
少年から青年へと成長していく過程で、車椅子に乗ったままできるスポーツを探していて出会ったのが、同じRIZEに所属する日本代表選手・官野一彦〔かんの・かずひこ〕さん(クラス2.0)でした。
官野さんは日本代表のキャプテンも務めたことがある一流の選手なのですが、初めて車椅子ラグビーを見た感想は、
「この競技、何かちょっと野蛮だな」
と言うものだったようです。
確かに、このRIZEの紹介動画をみてみると、車椅子を正面からぶつけるシーンが映し出されていて、野蛮と言うより、せっかくリハビリで車椅子の操作ができるようになったというのに、痛めた首に負担をかけそうな気もします。
そうはいっても、もともとスポーツ少年だったこともあり、今井選手が車椅子ラグビーと出会ったのは7年前の2009年、25歳のとき。
健康であれば、1番元気なパワーがみなぎっているときです。
「車椅子どうしをぶつけ合う」という非日常的な体験に、何とも言えない刺激を感じ、どんどん車椅子ラグビーの魅力に引き込まれていったそうです。
・2012年に千葉のRIZE(ライズ)に入団
・2013年には日本代表に名を連ねました。
リオのパラリンピック出場を決めた後のインタビューでは、車椅子同士の激しいぶつかりあいについて、
まるで試合開始のゴングのように感じた
と、語っていらっしゃいます。
また、車椅子ラグビーは、頭を使った緻密(ちみつ)な戦略も必要だそうで、今井選手にとっては、それも車椅子ラグビーの魅力の1つなんだそうです。
今井選手の得意技とコートでの役割は?
今井選手の主な役割は、巧みに相手の行く手を阻む相手選手の行動をブロックすることです。
今井選手は、頸椎を著しく損傷しているため、腕の屈伸や手のひらを広げることができませんし、手を思うように動かすことができないため、ロングパスもできません。
自分にできることは何かと考えたとき、相手選手の行動を阻止することにより、「味方が攻撃しやすいようにサポートする」というとても重要な役とポジションを引き受けることにしたのです。
海外の選手とも対等に渡り合うために、スピードとパワーをつけることが重要視されます。
そのために、急な坂道を利用しての自主トレは欠かせませんし、自らのハードルを定め、それを克服するため、日々トレーニングに励んでいます。
目下の目標は、世界のトップレベルの人たちと戦って勝ち、メダルを手にすることだそうです。
また、「メンバーの気持ちを奮い立たせ、引っ張っていけるような存在になりたい」ともおっしゃっています。
車椅子ラグビーの試合日程やテレビ放送時間
他の車椅子ラグビー選手は?
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