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「生んでくれたら最大200万円援助」という衝撃的なキャッチコピーで、今、ネットを活用した養子縁組のあっせんが波紋を広げています。
まず、手続きの方法も、従来の養子縁組からは想像もできないほど簡略化されており、養子を希望する夫婦と、生みの親との登録の受付は、インターネット上でなされ、やりとりの大半もSNSで行われているというのです。
養子斡旋
出典:http://news.yahoo.co.jp/feature/438

実際に、この養子斡旋を行っているNPO法人のサイトを覗いてみると、双方の募集はとてもシンプルに提示されていました。
この「ネットであかちゃん斡旋」の内容を考える番組が、NHKのクローズ現代+、で取り上げられます。
ここでは、番組で取材されたNPO法人について、またその実態などについてまとめてみました。
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赤ちゃんあっせん特別養子縁組を行っているNPO法人は?

赤ちゃんあっせん特別養子縁組を行っているNPO法人は「インターネット赤ちゃんポスト」を運営する「全国おやこ福祉支援センター」(阪口源太代表理事)です。
インターネット赤ちゃんポスト
テレビで放送された時の動画がYoutubeにあがっていました。


養子縁組について、プロセスを大胆に簡略化したNPO「インターネット赤ちゃんポスト」のあっせんのあり方については、

「当事者の人生を左右する重大な決断だということを忘れさせる」

などと専門家からは当然批判の声も上がっています。

炎上狙いで普及させたかった

波紋を醸し出した発端は、阪口さんがサイトに掲載した呼びかけの一節でした。
「中絶を考えている人へ『産んでくれたら最大200万円の援助があります』」
この一文は、関係ない人が見てもぎょっとしてしまいそうですが、事情があって出産をためらっている方にとっては、選択肢の1つとして養子という選択肢が増えたことはもしかしたらありがたいことだったのかな?とも思えます。
「人身売買ではないか」との非批判にもひるまず、監督する大阪市からも誤解を招く表現を是正するようにと、度々指導を受けたにもかかわらず、そのキャッチコピーを正当化する、阪口さんの真意は、以下の様なものでした。

「人身売買って特別養子縁組にとってのタブーじゃないですか。クリックしてもらうためにそういう表現をあえて使う戦略です」

斡旋事業に乗り出したきっかけは?

あっせん事業に乗り出したきっかけは、阪口さんは自身も養子を迎えて育てていらっしゃって、そのプロセスや手続きの煩雑さに、強い不満を感じたことが理由だったそうです。

受け渡しの方法は?

番組で放送されるのは受け渡しの方法の1ブですがそれをご紹介すると、

絶え間なく人が行き交う、東北地方のある駅前。午前10時過ぎ。タクシー乗り場に生後1か月の男の赤ちゃんを抱いた20代の母親が現れた。
「ミルク、すごくよく飲みますから」。待ち構えていた夫婦に母親は赤ちゃんを手渡した。白いベビー服の袖からのぞく小さな手。母親の胸を離れても、赤ちゃんは泣かなかった。
「名前のことなんですけど」。意を決したように赤ちゃんを引き取る40代の夫が母親に語りかけた。「漢字だけ変えさせてもらっていいですか。うちの苗字にすると画数が良くなくて」。若い母親は恐縮するように手を振った。「全然大丈夫です」
10分にも満たない立ち話の後、夫婦は赤ちゃんを抱いてその場を去っていった。母親は泣きながらしばらく立ち尽くしていた。

母親と夫婦のそばに付き添っていらっしゃった一人の男性が特別養子縁組をあっせんするNPOの代表、阪口源太さんです。

特別養子縁組とは?

厚生労働省によると、民間の養子あっせん団体は2015年10月時点で全国に22団体。
当然のことながら、厳しい審査や年齢制限を設けているところがあるほか、希望者が殺到して長期間の待機を余儀なくされることも少なくないのが実態です。
司法統計によると、2015年に成立した特別養子縁組は544件。
増加傾向にあるとはいえ、欧米のように一般化はしていません。
その中で、特別養子縁組のあっせんは主に、児童相談所や民間のあっせん団体を介して行われています。
児童相談所の場合は、講習や乳児院などでの実習、面談などを経て「養子縁組里親」に登録する必要があり、0歳児の委託については、行っていないところも多いのです。
このことについて阪口源太さんは、以下のようにおっしゃっています。

「2週間に1人の赤ちゃんが日本のどこかで遺棄されたりして亡くなっている現状があるのに、養子縁組を行政が本気ですすめてないことが一番の問題なんです」

そして今後の目標は、

「僕は年間1000組の特別養子縁組あっせんをこの3年でやります。その目標を達成したら辞めますから。あとは維持することが得意な公務員の方たちにさっさとお渡ししますので」

と、社会の問題に目を向け、民間だからこその勢いとスポードで社会に問題を投げかけ、国に問題提起をしているように感じました。

利用した人の声は?

■ケース1
結婚直後に、奥さまの子宮にがんが見つかり、子宮と卵巣を摘出。
それでも我が子を育てたいという強い思いから、養子を迎える決断をなさったそうです。
まず、児童相談所で養子縁組里親の登録を済ませ、半年以上待機していたけれど、「いつまで待てばいいのか教えてもらえない」という不満から、民間のあっせん団体を調べ始めたそうです。
ネットで調べた、たくさんのサイトの中から、、もっとも手続きの負担が少なかった阪口さんのNPOを選んだそうです。
批判の対象になっている、『産んだら200万円』という表現については、費用が明確で好感が持てたと、社会の批判と当事者たちとの感じ方は全く正反対なものでした。

■ケース2

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2歳になる養子でむかえたお嬢さん育てている神奈川県在住の方は、既存の仕組みでは養子縁組が実現していなかったケースです。
奥さまは、結婚する前から子宮内膜症の持病があり、妊娠は難しいと聞かされていました。
それでも、結婚直後から2年ほどは不妊治療を続けたのですが、身体への負担が重く断念。
そのときのご主人はすでに43歳になっていて、民間の養子斡旋あっせん団体をいくつか回ったものの、ご主人の年齢がネックになってほとんどが門前払いだったとか。
登録にこぎつけたところでも、「100人が待機していて5年は待つ」と言われたそうです。
諦め半分で「最後の賭け」と登録したのが、阪口さんのNPOインターネット赤ちゃんポストで、登録したわずか4カ月後には、生後6日の現お嬢さんを阪口さんから受け取ったのだそうです。
そしてこちらのご夫婦は、

「批判があるのは分かってます。でもどうしても子どもが欲しかった。きっかけがどうであれ、娘を大切に育てていくことが肝心なわけですから。後悔はないです」

ときっぱり言い切っていらっしゃいます。
赤ちゃんを迎える側よりも、未来の両親に我が子を託したお母さんはどういった事情だったのでしょうか?
■ケース3
妊娠したことがわかった時に、お腹の子どもの父親である男性は「堕ろしてほしい」の一点張りで、ほどなく別れてしまったという女性。
彼女は、「自分で育てたいけど、子どもが幸せになれると思えない」と、スマートフォンで「妊娠 養子縁組」と検索して1番に目についたのがNPOインターネット赤ちゃんポストのサイトだったそうです。
相談の電話をかけた数日後には、もう阪口さんが近くのファミリーレストランまで会いに来て、

「今何が一番困ってますか?って聞かれたんで、ぶっちゃけお金ですよねって言ったら、そうですよねーって。それからはもう、淡々とお金の話をした感じですね」。

そして、その場で月20万円の支援金を受け取ることが決まり、同意書に拇印を押して契約したそうです。
妊娠や出産に悩み、阪口さんのインターネット赤ちゃんポストに相談を寄せる女性はすでに200人に上っていて、そのほとんどの悩みが生活費や住まいなど、経済的な支援を求めたものだそうです。

まとめと感想

養子縁組について、日本では営利目的のあっせんは禁じられてはいるものの、団体の許認可や、あっせんのプロセスについては法整備がなされていないのが実情です。
各団体が独自の方針であっせんを行っていて、許可制ではなく届け出制なのだそうです。
大切な生命や人の人生関わることが、許可制で行われていたことに驚いてしまいました。
こちらのインターネット赤ちゃんポストは、まっとうで安全だったからよかったものの、早急に法整備がなされることを期待します。
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コメント一覧
  1. さいとうまゆみ より:

    いいと思います
    妊娠を誰にも相談できず、殺してしまう子達が
    利用できたらと思います

    • さいとうまゆみさん
      コメントありがとうございます!
      いろんな縛りの中で動きの取れない行政任せにするのではなく、
      民間だから、個人だからできることってたくさんありますね。
      どういった事情であれ、お子様も、元親さんもそして、受け入れ側のご両親をはじめ、
      みんなが幸せになってくれればいいですね。
      非難中傷するのは簡単だけど、そうではなく、さとう様のように暖かく見守って応援してあげれる人が増えて、
      世の中がもっと優しいものにかわっていけばよいな、と思います。

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