電通の教訓『鬼十則』の読み方は『おにじゅっそく』。
高橋まつりさんの過労死自殺の件で、電通の様々なブラックぶりが浮き彫りになってきているようです。
つい先日も、東京労働局の監督官ら8人が抜き打ち調査に入ったとのニュースが流れていましたが、ちっとも抜き打ちではなかったという事実。
また、それ以前にもインターネット広告の掲載に関して、複数の不適切な業務が行われていたことが判明ており、高橋まつりさんは、誰が行ったのかもわからないこの不適切業務の後処理業務に追われていた事も判明しています。
電通は23日、インターネット広告の掲載に関して、複数の不適切な業務が行われていたことが判明したと発表した。故意または人為的なミスによる未掲出や運用実績の虚偽報告などで、実態とは異なる請求書の作成、過剰請求も確認したという。不適切業務は約4年間で案件数633件、広告主が111社、金額が約2億3000万円に上る可能性があるとしている。出典:http://www.iza.ne.jp/kiji/economy/news/160923/ecn16092317130018-n1.html
そして今回、電通に古くから伝わっている時代錯誤ともいえるような『鬼十則』という社訓のようなものが公開されて大炎上している模様です。
この『鬼十則』は、書籍としても出版されていたとは知りませんでした。
鬼十則(おにじゅっそく)と裏十則とは?
ツイッターからのいんようなのですが、こちらをごらんください。
電通鬼十則と裏十則。どうみても後者の方が共感できるよ。 pic.twitter.com/SWtf43T1Tl
— まんぞう (@manzonsen) 2016年5月17日
そして書籍はこちら。
10年前の、既にバブルが崩壊して日本経済が低迷しているころに出版されているようですから、大手企業の大掛かりなリストラなんかが行われていた時代ですから、会社を存続させるために企業が必死だった時代だと思われます。
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日本経済が急成長していた時代は、企業のためには働くことが良しとされていて、頑張ればそれが給与として還元されていた時代ですから頑張りがいもあったでしょうし、もっと温かいものがあったはずですが、今の時代は頑張れば頑張るだけ疲弊していく時代です。
そんな殺伐とした時代の、『鬼十則』はあまりにも時代錯誤な法則のような気がしてなりません。
それと相反するものとして、裏十則なる生命を救うための教訓も存在し、まわりからなんと言われようと、会社にとってはありがたくない選択をしないと自分を守ることができない企業が存在して、その選択さえもできないほど盲目に扠せられてしまう企業が未だに日本を担うトップ企業として存在することも、客観的に見ればものすごく不思議な感じがします。
鬼十則を作った人物とは?
鬼十則を作った吉田秀夫氏は、福岡県小倉市(現・北九州市)出身。
*1928年日本電報通信社(現・電通)入社。
*1947年、GHQにより公職追放された上田碩三の後任として、電通の第4代代表取締役社長就任。
*1953年、日本プロレス協会理事。
1963年、胃癌のため死去
と、戦後の日本の高度成長期に生きた人物で、東京オリンピックのまえ、もう50年以上も前に亡くなっています。
では裏十則を作った元電通マンの吉田望氏とは
元電通マンの吉田望氏は、この鬼十則に対抗して電通を退社されたのかと思っていたのですがそうではなく、これからの時代はインターネットを通じて社会が代わって行くことを先見の明をもって無抜いておられた方でした。
現在は、吉田望(よしだ・のぞむ) ノゾムドットネット代表取締役としてご活躍なさっていらっしゃいます。
そしてこの裏十則は鬼十則をパロったものだったそうでユーモアたっぷりの方のようです。
ところで、僕はこの鬼十則のパロディを裏十則という名前で1988年頃に作ったことがあるのです。僕が電通の「経営計画室」というところにいたときのことです。
だいたい、経営計画というような名がつく組織は次第に官僚的になっていくものです。今思えば電通という破天荒な会社にいながら、その中での官僚になってしまった己への自嘲があったのでしょう。実は、すでに先輩の手による原型があったのです。でも僕がそれに手を入れて面白く改作したのです。
(我ながら秀逸なる諧謔精神が発揮されたパロディです)
吉田望氏も書籍を酒乙幡去っていて、レビューには賛否両論あるようですが、この書籍についてのプラスのレビューをご紹介します。
本書がなにより新鮮なのは、人間の本能と心理を鋭く突いた上での、明晰な会社論であることです。人間の本性と対峙する視点の、リアルで生きた理論が、経済書には稀な優れた言葉のセンスによって、気の利いた多くの引用とともに平明に書かれており、大変おもしろく読めました。「会社は誰のものか」のテーマのベースに人間の欲、弱さ、気概などが確かに見据えられている。人間が営む会社に焦点を合わせつつ、実は、端的な日本論になっている批評性も評価できます。
会社の抱える「仕掛け」と経営者のスタンスを解き明かしつつ、著者は戦後60年の日本人の本質に目を凝らし、経営者たちの意識下に潜む本音、人的資源のモチベーションの根幹にまで踏み込んで、21世紀の会社のあるべき姿にせまっていきます。
人間の本能である激しい卓越への欲望と、その実行力が「志」を育み、企業を進化させること。そして、倫理とやさしさを問う「信任」を受けた経営者は、企業の「志」の設計者、提唱者、改革者たるべきと著者は語ります。「会社は最も志の高い人のものである」という結論へ向けて、株主主権主義から、精神が強靱でないゆえのモラルハザード、株主によるガバナンスについての論考を経て、引込まれる展開で、「お金に変えられない価値(社会的責任やブランド)をお金にかえていくことの重要性を説いた理論に、大いに説得力がありました。人の記憶の中に継承されゆくブランドこそ、会社の最良の資源とは、現役の経営者である著者の信念と希望、と読みました。緻密な論考ながら、学術書にはない、素直で爽やかな読後感を得る1冊です。出典:アマゾン
まとめと感想
高橋まつりさんのお母様、幸美さんが訴え続けていらっしゃる『命より大切な仕事はないのに』と訴えていらっしゃる言葉が、正しく、正しい人に届くことを心より願います。
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