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奇跡の牛の命を繋いだ高校生の旅立ち:BS1でドキュメンタリー


「奇跡の牛」をご存知ですか?
東日本大震災で津波被害を受けた名取市の宮城県農業高校(みやのう)に、奇跡的に生き延びた牛の世話を続け、命をつなぎ続けている高校生たちがいます。
2011年3月11日、名取市の海岸から約1キロの平野部にあった宮城県農業高校は、高さ10メートルの津波に襲われました。
学校にいた生徒や教員は屋上に逃れましたが、牛舎と牛34頭は濁流に押し流されます。
けれど、教員が命懸けで首輪をほどいて自由にした牛は、水が引いた後に14頭が生還。
そしてその牛は、「奇跡の牛」と呼ばれ、先輩から後輩へと育てる活動が続けられています。
3月30日のBS1で放送されるのは、今年3月に卒業するまでの3年間、奇跡の牛のお世話をしてきた高校生たちの活動の様子。
出典:http://www4.nhk.or.jp/bs1sp/


「奇跡の牛」呼ばれるようになった牛を育てる活動は、5年にわたり続けられてきています。
その中で、命の意味、生きることの意味を考え続ける高校生たち。
震災を経験した自分たちはどういう人生を送るべきなのか、10代の多感な時期に、一生懸命、真っ直ぐに考えている姿に密着したドキュメンタリーです。
「奇跡の牛」からは、同年8月に震災後初の子牛「サニー」が誕生します。
サニーは、翌年12年の春に、県の共進会で酪農家の出品牛を抑えてグランドチャンピオンに!
そして今回の高校生の先輩(須田さん)がリードした東日本大会でも、クラストップに輝き、同県の高校では初の全国出場を獲得します。
全国大会では、サニーが暴れて最下位だったようですが、そのときにお世話をしていた須田さんは、「私が勝つことしか考えず、環境が変わったことへの思いやりが足りなかった」と。
高校生ですよ。
本当に動物が好きで、この牛たちのことが大好きじゃないと、こういった冷静な振り返りはできないだろうなと思ったのでした。
多くの牛を失った宮城県農業高校は、道内の農家から受精卵を無償提供してもらい、13年7月には、幕別町の山田敏明さんの卵から第1号の子牛「ミルキー」が誕生。
支援の絆から生まれた子牛も世話し、「先生や仲間、酪農家の人たちとのつながりの大切さを感じた」といいます。
おなじ13年の8月には、奇跡の牛から産まれた、サニーから「クウル」と名づけられた新たな命が誕生。
奇跡の牛の孫牛です。
須田さんが宮城県農業高校に入学したのは、震災直後の4月。
農業大学校のグラウンドの、プレハブの仮設校舎で3年間学んだそうですが、「施設的には他の学校より落ちるかも。でも、不自由に思ったことはないし、充実していた」と。
そして、その須田さんは、14年の4月に帯広畜産大学に入学なさっています。
帯畜大では牛群管理の研究に加え、馬が流された同校ではできなかった馬術部へも入部したいと、おっしゃっていて順調に行けば、今年の4月からは3年生。
もっともっと専門的に牛のことや酪農について学ばれるのだろうと思います。
今回卒業する高校生たちは、須田さんの後輩にあたり、1年間だけ一緒に牛のお世話をしてきた方たちです。
奇跡の牛や、先輩の歩んでいく道から、命の意味、生きることの意味を考え続ける高校生の姿から、私もまた自分の生きる意味を考えさせてもらうことになりそうな番組です。
最後に、人の命だけでなく、牛の命をも助けようとした農業高校の先生たちの勇気ある行動や、助かった牛を中心にして立ちあがっていく高校生たちの姿が書かれたドキュメンタリーが出版されていましたので、ご紹介です。

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